資産運用とは何でしょうか?具体的にどんなやり方があるのか、代表的な10種類の資産運用方法を私の主観も交えながらわかりやすく解説していきます。
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お金は「目的」ではなく、あくまで「手段」です。
お金が沢山あっても幸せが約束されるわけではありません。
多く人は起きている時間の半分くらいは仕事をしているわけなので、「どこで誰とどんな仕事をするのか」も人生の幸福度を大きく左右するのではないでしょうか。
私は稼ぐことに執着するよりも、やりたい仕事をやった方が良いと考えています。
しかし、お金がなければと住む場所や暮らし方の選択肢は狭くなってしまいます。
私は車もいらないし、豪遊もしないし、「とくべつ贅沢したい」とは思いませんが、健康的な食事を心がけたいし、親友の結婚式にはしっかりご祝儀を用意したい。ライフワークとして年に何度か海外にも行きたいと思っています。
他にもやりたいことがいっぱいあります。気持ちよく生きるには結構お金がかかるのかもしれません。
それに加えて、いつかできるかもしれない子供の学費や、自分たちの老後資金も準備しなければいけません。
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お金に困らない3つの方法
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お金に困らない=資産を増やす方法は、基本的に以下の3つしかありません。
・自分の能力を伸ばして収入を増やす「稼ぐ」
・支出を減らして、収入のうちのより多くを貯蓄に回す「守る」
・資産運用を通して、お金でお金を稼ぐ「増やす」
この3つは当サイト、サバイブのカテゴリ分けに一致しますね。
やりたい仕事を見つけて集中すればきっとある程度は稼げるし、
格安SIMやネット銀行を使えば生活水準を下げずに家計に余裕を生み出していけるはずです。
問題は3つ目の「増やす」方法です。
「資産運用は金持ちの大人がやること」だと思っていませんか?
実は、将来のお金に不安を持った我々20代こそ始めるべきことなんです。
お金を増やす方法
お金を預けたり金融商品に投資することで、
・利子
・差益
・分配金
といった利益を狙います。
具体的な投資方法は様々なやり方があります。
例えば、銀行預金も資産運用の一種と言えます。
ここにもリスクがあり、利子配当があり、税金が発生しています。
私は20代の前半ではじめて投資信託を購入しました。
それまで投資に対して危険で難しいイメージを持っていました。
しかし今思えば「当時考えていたほど難解なものではないな」と感じています。
そこからコツコツ勉強を続け、現在は株式投資をメインに投資を続けています。
高卒の私は、投資について学校で習ったことは一度もありません。
あくまで独学の知識であり、主観的な意見が多く含まれますが、今回は基本的な投資の方法を10種類ご紹介します。
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銀行預金
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利息も小さいけど、その分リスクも低い投資先「銀行預金」です。
バブルの頃は「1億円持っていれば金利で生活できた」という話も聞きますが、現在は当時の数百分の一程度の金利しかないので、現実的ではありません。
メガバンク・地銀・ネット銀行など、大小様々な銀行があります。
一応ネット銀行が高金利・低手数料で、メガバンクは支店の数と利便性で上回ります。
しかし、投資としてみるとどこも大差ありません。
銀行預金のリターン
銀行預金のリターンは金利です。
2016年現在、一般の銀行の普通預金は年0.001%程度。
比較的高金利なネット銀行(ソニー銀行)の定期預金では年0.2%程度です。
100万円預けた場合の年利は
一般の銀行の普通預金で100円。
ソニー銀行の定期預金では2000円程度。
ここから約20%の税金が引かれた金額が利息として振り込まれます。
銀行預金のリスク
銀行預金はATM手数料さえ無料にできれば、元本割れ(預けたお金)の可能性がありません。
最も低リスクな資産運用方法のひとつです。
ただし注意点が2つあります。
倒産リスク
引き落とし手数料以外で預金残高が減ることはありませんが、万が一預金先の銀行が倒産した場合は、預金額のうち1000万円までしか保証されません。
1億円預けた状態で銀行が倒産すれば、1000万円は確実に返ってきますが、残りの9000万円は銀行の余力次第となります。
1000万円以上の貯蓄がある場合は、複数の銀行に分けて入れることで倒産リスクは回避できます。
インフレリスク
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2016年現在、銀行の金利は高くても年0.2%程度。
一方で日本銀行は「年2%のインフレ」を目標に掲げています。
簡単に言えば、
2%のインフレ=給料と物価が2%上がること
乱暴な言い方ですが、年収500万円なら510万円になり、同時に500円のラーメンも510円になります。
一見問題ありません。
しかし、既に貯めていた500万円の貯金には約7000円(0.2%-税金)程度の利子しか付かないので、本来なら1万杯食べれたはずのラーメンが9817杯しか食べられません。
つまり、インフレすると貯金の価値が下がってしまうことになります。
銀行預金で年利2%は現状あり得ないので、銀行預金はインフレに弱い といえます。
詳しくは過去の記事へ
銀行貯金では危険な時代!インフレリスクから資産を守るには
銀行預金のメリット
ほぼノーリスクで利息を得ることができますが、普通預金や定期預金は金利が低すぎて話になりません。
一番のメリットは利便性が高いこと。次点として手軽さと、ある程度信頼がおけるところです。
銀行は複数の口座を開設しても維持費がかかりません。
手数料に優れたネット銀行を選べばコンビニATMの出金手数料も無料になるので、元本割れの可能性も無いです。
積立定期預金 を利用すれば、「給料日に毎月3万円を別口座に移す」といったことも可能。柔軟に使えます。
おすすめの銀行預金
ただでさえゼロ金利状態だったのに、2016年2月にマイナス金利が導入されて以来、長期間預ける意味がなくなってしまいました。
定期預金はお金のフットワークが悪くなるだけで、金利は全く期待できません。
給与受取口座や生活費用の普通預金以外の使い道はない と言っても過言ではありません。
2016年8月時点で、三菱東京UFJの普通預金の金利は0.001%
仮に1000万円預けても年利100円。
そこから20.315%の税金が引かれて、年利79円 となります。
定期預金は満期にかかわらず0.010%で、実質年利は796円 。
一般的には大手の銀行よりも、実店舗のない(または少ない)ネット銀行の方が高金利 で、年0.2%程の金利が付くこともあります。
実際には振込手数料やATMの引き落とし手数料が年利を上回ってしまう可能性 が高いことから、銀行預金は「増やす」というよりは、「守る」に分類するのが妥当でしょう。
預金額や生活スタイルにもよりますが、金利よりも手数料重視 で銀行を選んだ方が結果的にプラスになりやすいと考えます。
銀行 普通金利 定期金利 コンビニATM
出金手数料 他行あて
振込手数料
三菱東京UFJ銀行
スーパー普通預金
スーパー定期年0.001% 1か月もの
年0.01% 月0~3回まで0円 0~3回無料
216~648円
新生銀行 年0.001% 2週間もの
年0.05% 何度でも無料 月1~10回無料
以降97~285円
住信SBIネット銀行 年0.01% 1年もの
年0.15% 月2~15回無料
以降は100円 月1~15回無料
以降は142円
ソニー銀行 年0.001% 1年もの
年0.20% ▼セブンイレブン
何度でも無料
▼ローソン・ファミマ(E-net)
月4回まで無料
以降は100円 月1回無料
2回目以降200円
(2016年8月時点でのデータです)
メインバンクは新生銀行でほぼ確定。
もし定期預金をするなら、ソニー銀行に専用の口座を作ることをおすすめします。
コンビニATM手数料が何回でも無料
>>新生銀行の公式サイトへ
定期預金が高金利
>>ソニー銀行の公式サイトへImage may be NSFW. Clik here to view.
確定拠出年金
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確定拠出年金 とは、銀行や証券会社に毎月お金を積み立てて長期運用し、老後に受け取ることができる、いわば私的年金 のシステムです。
他にも401K ・個人型DC など、様々な呼び方があります。
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年金との違いは、運用先を自分で選べる こと。
積立投信との違いは税金がかからない ことと、60歳まで解約できない ことです。
毎月積み立てられる上限額は労働環境によって変わりますが、多くのサラリーマンは5000円~2万3000円。自営業なら6万8000円まで。
その範囲内で自分が選んだ金額が毎月自動的に積み立てられていきます。
運用先の商品は口座を開設した銀行や証券会社によって様々ですが、定期預金や投資信託が中心です。
詳しくは過去の記事に掲載しているので、ここではあっさり説明します。
>>確定拠出年金とは|税金を避けて積み立てまくれ!【図解】
確定拠出年金のリターン
具体的に投資する商品によってそれぞれですが、主に利息 や配当金 が得られます。
ただし、原則60歳までしか運用できません。
早く始めて運用期間を長くしたほうがリターンも大きくなります。
利益は元本に加算されていくので複利の法則が働き、雪だるま式に大きくなっていくことが期待できます。
確定拠出年金のリスク
原則、60歳になるまで引き落とせません。
(本人が死亡した場合や重度障害を負った場合を除く)
また、無理な金額を積み立て続ければ借金してしまうことにもつながります。
ただし、途中で掛け金を減らしたり、積み立てを一時的にストップすることは可能です。
その時々の生活に合わせ、資金に余裕をもって積み立てましょう。
確定拠出年金のメリット
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確定拠出年金として積み立てた分の金額は、NISAと同様に利息・売却益・配当金が非課税 。
さらに所得税や住民税まで非課税 です。
これは反則級の節税効果!
収入や地域にもよりますが、所得税と住民税は合わせて15%くらい。
わかりやすく言うと、社長が私に2万円の報酬を支払うとき、3000円は税金に消え、1万7000円が私の手元に入っています。
確定拠出年金ならば、この2万円をそのままプールできるということ。
月に2万円積み立てる場合、それだけでも年間約3万6000円分の節税メリットがあります。
おすすめの確定拠出年金
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アクティブに投資するのは個別株や投資信託でやるとして、確定拠出年金はあくまで節税しながら老後資金を貯める手段と考えましょう。
ただし、銀行預金の項目で説明したように、私たちはインフレリスクに立ち向かわなければなりません。
年間2%以上の運用益を出したいところ。
そうなるとノーリスク商品だけでは足りません。
また、「利息・売却益・配当金が非課税になる」という大きなメリットを活かせないので、確定拠出年金は国際株式系の投資信託などのリスク商品に投資することをおすすめします。
確定拠出年金を始めるにあたって、重要なことは2つ。
ひとつは手数料を安く抑える こと。
手数料は利益に直結するのでイメージしやすいと思います。
もう一つは早く始めること。
より長期間より多く積み立てた方が節税効果も利息も大きくなります。
積み立て額が増えてくると、同じ数%の利息でも金額的にはどんどん大きくなってきます。
始めの1年でつく利息は数千円かもしれませんが、20~30年後には年間数十万円の利息が付くという可能性も十分あります。
例:毎月1万円ずつ積立/年利3%で30年運用
1年目の年利:約1900円
2年目の年利:約5600円
・
10年目:約3万9000円
・
20年目:約9万4000円
・
30年目:約16万9000円
合計積立額:360万円
合計利息額:222万3199円
元利合計:582万3199円
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加入時手数料
+
口座管理手数料 1年 5年 10年 20年 30年
SBI証券 4968円 1万7280円
りそな銀行 3792円 1万8960円 3万7920円 7万5840円 11万3760円
大和証券 3888円 1万9440円 3万8880円 7万7760円 11万6640円
ゆうちょ銀行 4440円 2万2200円 4万4400円 8万8800円 13万3200円
上の表は確定拠出年金を扱っている4つの代表的な金融機関の
加入時手数料と口座管理手数料をシミュレーションした表 です。
長期的に見るとSBI証券の手数料が圧倒的に安い ことがわかります。
>>SBI証券の公式サイトへ
株式投資
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企業が発行した株券を売買する、超基本的な投資手段です。
国内株と海外株があり、その中にも様々な種類の株(REIT・ETFなど)があります。
リスクや目論見に応じてどの株を買うか自分で選択します。
株式投資のリターン
株式投資で得られる利益は2種類。
売却益 (キャピタルゲイン)
株券の価格は、各社の業績や社会情勢、人間の心理など、様々な要因によって常に上下しています。
その値動きを利用して安いタイミングで購入し、高くなったら売却してしまえば利益が出ます。
これが売却益です。
配当金 (インカムゲイン)
株式銘柄によっては、保有しているだけで定期的に配当金がもらえます。
短期間で大きな損益が出る売却益に比べると小さな金額ではありますが、保有株数や保有期間によってはバカにならない金額が入ってきます。
株式投資のリスク
保有している株の価格が購入時の価格を下回ることもあります。
それでも持ち続けたり、さらに買い足して平均購入価格を下げることで採算分岐点を下げることもできますが、「損が大きくなる前に売却する」という判断もあります。
その場合は損失=元本割れが発生します。
ただし、投資額以上の損はないのでリスクは限定的だと言えます。
テレビやマンガで「株で借金」というワードをよく聞きますが、実際にはお金を借りて株を購入したり、信用取引に手を出さなければ「株で借金」を負うことはありません。
秒単位での取引が可能で、すぐに現金化できるので流動性リスクも低めです。
株式投資のメリット
・売却益
・配当
・株主優待
という3つの利益が狙えます。
基本的に取引を行うのもリスクを負うのも自分なので、中間マージンが最低限しか発生しません。
そのため、多くの場合は投資信託よりも手数料が安く、低コストで資産運用できます。
株式投資には様々な選択肢があります。
「インフレリスクや為替リスクを避けるための投資」や「短期的に伸びそうな会社の個別株を一気に買う」など、許容できるリスクや投資期間といったそれぞれの目的に合わせた自由な運用が可能 です。
おすすめの株式投資
私の資産運用は株式投資がメイン です。
具体的には、NISAの範囲内で国内ETFと海外ETFを半分ずつ購入して長期保有。
残りはIPO株の購入資金に充てるため動かしやすい状態にしておくのがベストだと考えています。
IPO株とETF株、それぞれどんなものなのかざっくり解説します。
IPO株
IPO株とは、新規公開株式の別称です。
高確率で利益を出せる株 として非常に人気があります。
新規公開株は、上場する数週間前に「いつ上場するか」と「いくらで売るか」が発表されます。
私たちはこれらの情報を見て予約抽選に参加し、もし当選すれば宣言された価格(公募価格)で株を手に入れることができます。
公募価格は多くの場合で割安。
それを上場日の「初値」が上回れば、儲けが出ます。
ちなみに、2015年に新規上場した92社のうち82社で公募価格を上回る初値がつきました。
予約抽選で当選する可能性はとても低いのですが、インターネットから気軽に手続き可能で、抽選に参加すること自体はほぼノーリスク。
SMBC日興証券 やSBI証券 など、一部の証券会社から抽選・購入することができます。
6万円程度で購入できるものもあれば、50万円以上必要な銘柄もあります。
基本的には購入額以上の残高があれば抽選参加可能で、100万円ほどあると複数の証券会社から応募しやすくなるので、当選確率を上げることができます。
詳しくは過去の記事へ
>>IPO株とは?勝率約9割のIPOのリスクと仕組みをわかりやすく
ETF株
通常の個別株での運用にはかなりの調査が必要で手間がかかります。
かといって投資信託は手数料が高い。
そんなときは、長期的な見通しが立てやすく、インフレリスクにも強い ETFがおすすめです。
ETF株は、日経平均株価(日経225)や東証株価指数(TOPIX)など、それぞれの指標に連動した運用成果を目指すインデックスファンドのこと。
例えば日経225というETFを買うと、日本を代表する225社の株を全種類ちょっとずつ買ったのと同じようなことになります。
ドイツを代表する30銘柄のDAX30 や、
アメリカのハイテク関係ベンチャーが中心のNASDAQ など、海外の指標に連動したETFもあります。
詳しくは過去の記事へ
>>初めてのNISA投資におすすめのETF|投資信託は銀行で買うな!
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外貨預金
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外貨預金は主に銀行で販売されている金融商品です。
日本円を外貨(外国のお金)に変えて銀行に預けておくことができます。
為替の安定性や、金利の高さに定評のある米ドルや豪ドルの外貨預金は非常に人気のある投資先です。
外貨預金のリターン
外貨預金は通常の預金のように金利が受け取れるほか、為替差益を狙うことができます。
外貨預金の金利
日本の金利は最低レベルなので、通常の銀行預金に比べると高金利なことが多いです。
一部の通貨(南アフリカランドなど)では金利が年5%を超えることも珍しくありません。
為替差益
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1ドルが100円のときもあれば、120円のときもあります。
100万円で1万ドル買ったのち、120万円で払い戻せれば20万円の得となります。
この為替差による利益を為替差益と言います
外貨預金のリスク
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為替の動きによっては損失が出てしまうおそれがあります。
(=為替差損)
「外貨預金」と聞くと銀行預金を連想して比較的安全な気がしますが、元本割れの可能性も十分にあるリスク商品です。
ある程度の金利を狙うならば、為替の変動が激しい新興国に投資するか定期預金を組む必要があり、為替リスクと流動性リスクから逃れられません。
世界的に低金利であり、手数料が高めな外貨預金。
資産が増えるかどうかは為替レートによるところが大きいです。
その上で長期間預ける外貨定期預金はリスクが大きいと言えます。
外貨預金のメリット
もし日本円が暴落したときは、外貨預金に入れていたお金が大活躍します。
逆に、外貨預金があるまま円高になってしまったときは、外貨のままにしておいて海外旅行で使ってしまえば、為替差損は関係ありません。
そういう意味ではリスクが低いとも言えます。
おすすめの外貨預金
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多くの方は資産のすべてを通常の銀行預金や国内株、日本の不動産で所持しているのではないでしょうか。
これは、考え方によっては全財産を日本円に投資しているということになります。
そのままでは、日本円が暴落した際やハイパーインフレ(物価の急上昇)が起きた際には全財産が大きな被害を受けてしまいます。
なお日本銀行は年間2%ずつのインフレを目指しているので、施策がうまくいけば私たちの貯蓄はじわじわと価値が減っていきます。
そんなときに外貨資産を持っていればインフレによるダメージを軽減あるいは無効化することができます。
ただし、外貨預金である必要はありません。
株(海外ETF)や確定拠出年金(海外投信)でも同様のリスクに対応できます。
こちらの方が外貨預金より手数料が安く、節税効果もあるので有効な投資先と言えます。
「株ではなく外貨で持ちたい」という方は、次項で解説するFXの方が低コストで取り回しが良く、金利も高い のでおすすめできます。
外貨預金は手数料が高く、流動性リスクが高い(=取り回しが悪い)というデメリットがあまりにも大きく、全面的にFXに劣る ので、おすすめできません。
利率の良い定期預金などとセット販売されることがありますが、基本的に利用する必要はないでしょう。
FX(外国為替証拠金取引)
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主にインターネットで外国の通貨を売買する投資法です。
FX最大の特徴は、レバレッジというシステム。
これを使えば入金額の25倍までの金額を使って取引することができます。
使い方によってはギャンブルにもなる危険な投資ですが、実は分散投資として非常に優れたパフォーマンスを発揮します。
FXのリターン
FXでは、為替差益とスワップ金利が狙えます。
レバレッジを活用すれば、本来の数倍~数十倍の利益を狙うことも可能です。
スワップ金利
「買う通貨の金利」が「売る通貨の金利」よりも高い場合、金利差を受け取ることができます。
たとえばトルコリラの政策金利は7.50%
日本の政策金利は0.10%の場合、円を売ってトルコリラを買うと、金利差7.40%を得ることが出来ます。
FXのリスク
為替リスクとスワップ金利支払いのリスクがあります。
レバレッジを使えばその分リスクも25倍になります。
場合によっては借金を負う可能性もあります。
例:証拠金100万円の場合
1ドル=100円
25万ドル(2500万円相当)を購入。
1ドル=90円になると250万円の損失。
=借金150万円
実際にはロスカットというシステムがはたらき、ここまで下がる前に強制決済されるのですが、リーマンショックやスイスフランショックのときのように急激に為替レートが変動した場合、ロスカットが間に合わない可能性も十分あります。
また、サーバーダウンやメンテナンスによってロスカットが正常にはたらかなったというケースもあり、FXで借金を負う可能性はゼロではありません。
レバレッジを使ってのFX取引は非常に危険です。
FXのメリット
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スワップ金利は外貨預金に比べておおむね有利 な上、毎日少しずつ受け取ることが可能です。
また、短期間での往復取引を前提としているので、ワンクリックで取引可能で、外貨預金に比べて手数料がかなり安い というのもメリット。
レバレッジを使わずに外貨預金の代わりとして活用するならば全体的に優れたパフォーマンスを発揮します。
また、ほぼ24時間取引可能な点も、個人投資家にとっては嬉しいポイントです。
おすすめのFX
海外旅行に行くたびにマネーパートナーズというFX会社のサービスを使っていますが、それ以外には全く活用していません。
多くの場合で外国通貨よりも海外株の方がリターンが大きい ので、私は海外資産はETFで持つことにしています。
とはいえ、為替と株価では動き方や性質が違いますから「外貨を持ちたい」という考えが間違っているわけではありません。
FXは手数料も安いし、手軽でもあります。
外貨預金に比べてかなり良いサービスなので、充分あり。
トルコリラなんか高金利で魅力的だなあと思っていたのですが、相次ぐ爆弾テロなどの影響で、2年前に比べて40%近く価値を落としています。
そんなわけで新興国への投資はあまりおすすめできない状態。
結局、米ドルが無難な投資先 となるのでしょうか。冒険してもや豪ドルやNZドルが限界です。
FX会社の選び方としては、コストはほぼ横並びで、マイナー通貨じゃなければどこでも取り扱っているので、初心者にとっては取引単位(ロットの大きさ)が最も重要 になってくると考えます。
そうなると、100通貨(1万円前後)から取引可能で使い勝手のいいマネーパートナーズがおすすめです。
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投資信託
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投資信託は、銀行や各証券会社などで購入する金融商品です。
投資のプロである運用会社が、我々から集めたお金を元手に運用してくれます。
許容できるリスクや期待するリターンに合わせて様々な商品から選べます。
知識や経験のない投資初心者でも始めやすく、ほったらかし系の資産運用としてとても人気のある金融商品 です。
投資信託のリターン
プロが運用して得た収益の一部を「分配金」として受け取ることができます。
分配金は毎月別の口座に振り込んでくれるタイプと、投資の元手に組み込んでいくタイプの商品があります。
複利の効果がはたらく為、後者の方がおすすめ。
ローリスクローリターンな国内債券系の投資信託ならば0~3%ほど
ハイリスクハイリターンな新興国株系の投資信託ならば、年間75%以上のリターンを得られる可能性もあります。
投資信託のリスク
投資信託は銀行でも売られていますが、元本割れの可能性もあるリスク商品です。
投資信託のリスクは大きく分けて三つ。
価格変動リスク
(国内外の株式型・国内外の債券型)
投資対象の価格変動によるリスクです。
特に株式型投信は値動きの幅が広く、景気が悪化すると下落する傾向があります。
反対に、債券型投信は景気が回復すると価値が下がります。
為替変動リスク
(海外株式型・海外債券型)
外貨建ての資産は為替レートの変動によっても値動きします。
円高になると価値が下がってしまうおそれがあります。
信用リスク
(国内外の株式型・国内外の債券型)
株式や債券の発行元の企業や政府が、経営不振や財政難によって、あらかじめ約束していた利息や償還金の条件で支払うことができなくなる可能性のことです。
また、解約時に手数料がかかる可能性もあり、それを避けようとすれば流動性リスクも発生します。
投資信託のメリット
最小で1万円くらいから投資できます。
詳しい知識も必要ないので前もって準備することが少なく、個別株に比べるとハードルが低い かもしれません。
また、ETF株と同じように一つの商品を購入するだけで分散投資になる ことがあります。
おすすめの投資信託
投資信託はおすすめしません。
理由はとにかく手数料が高い こと。
購入時には購入時手数料 、保有時は信託報酬 と監査報酬 と売買委託手数料 が発生します。
商品によっては、換金する際に信託財産留保額 という手数料がかかる場合もあります。
詳しくは過去の記事へ
初めてのNISA投資におすすめのETF|投資信託は銀行で買うな!
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貴金属投資
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金・銀・プラチナなどの貴金属を購入し、保有しておく投資法です。
株や外貨と違って、価値がゼロになる可能性がありません。
最低でも採掘コストの分の価値を下回らないことなどから、純金を「最強の守りの資産」 と呼ぶ専門家もいます。
銀行や証券会社でも購入できますが、貴金属投資を専門に扱う業者もいます。
毎月1000円からでも始められる純金積み立てが人気。
貴金属投資のリターン
利息や分配金といったものは全くありません。
しかし価値は結構大きく変動するので、安いときに購入して価値が上がった時に売却できれば売却益がうまれることもあります。
貴金属投資のリスク
為替や株式と同様に、値動きによっては損をします。
買い方にもよりますが、売ろうと思った瞬間に売れるものでもないので、流動性リスクがあると言えます。
貴金属投資のメリット
基本的に、政治や経済の情勢が不安定になると価値が上がる傾向 があります。
これは他の金融商品とは全く逆の値動き なので、資産の一部を金に変えておけば景気が下がったときのお守り になるかもしれません。
おすすめの貴金属投資
基本的に、私がおすすめしている国内ETFや海外ETFとは全く逆の値動きをする ので、分散投資の意味では非常に効果的 。
守りの資産として買うのであれば「ドルコスト平均法」も使いたいので、純金積み立てがおすすめ。
不況へのリスクヘッジとして、かなり優秀な資産となります。
ドルコスト平均法
タイミングによって価格の変わる商品を買う場合、一括で買うと正当な価格で買えない可能性がある。
そこで、購入資金を分割して定期的に投資することで、購入額を平均化する手法。
高値掴みリスクは下がるが、安いときに一気に買った人の方が売却益も金利も高くなる。
純金積み立てを始めるなら手数料が安く、年会費も無料な楽天証券がおすすめ。
毎月1000円からでも積み立て可能です。
純金積み立ては楽天証券がおすすめ
>>楽天証券の公式サイトへImage may be NSFW. Clik here to view.
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不動産投資
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マンションやアパートの部屋を購入し、貸し出すことで長期的な収入を狙います。
とくに都内のワンルームマンションは売りやすく、運営も簡単というふれこみで、低金利の住宅ローンを借りやすいサラリーマンを中心に人気があります。
不動産投資のリターン
家賃収入がローンの返済額+管理費などのランニングコストを上回れば収益になります。
不動産投資のリスク
主なリスクはこの三種類。
空室リスク
部屋が空室の期間もローンを返済し続けなければならないので、赤字が発生します。
また、築年数とともに部屋の価値も下がっていくので、実際にはローンの返済額だけでなく見えない赤字も発生しています。
災害リスク
火事や物損、自殺による事故物件化などの人災や、地震や洪水などの天災。慎重に物件を選び、小まめにメンテナンスをしても避けられない災害もあります。
修繕費用だけでなく、入居率の低下や家賃の下落も発生するので、多大な被害を受けます。
金利上昇リスク
変動金利でローンを組んだ場合、途中で金利が上昇するリスクがあります。
残額や期間によっては、ゼロコンマ数%の金利が上がるだけでも返済額が数百万円増える可能性も。
不動産投資のメリット
相続税対策としても有効です。
マンションなら購入時価格の50%が評価額となるので、相続税評価額を下げる効果が期待できます。
おすすめの不動産投資
人口の減少傾向が止まらない限り、不動産投資はおすすめしません。
2016年現在で、マンションの空室は13%以上と言われており、野村総合研究所のデータでは、2040年の空室率は43% と推測されています。
このデータから、空室リスクの上昇だけでなく、不動産価値の低下も予測されます。
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個人向け社債
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個人向け社債とは、一般企業が資金調達のために発行する債券のことです。
不定期で発行され、銘柄ごとに定められた満期(2~7年程度)になると金利が付いた状態で返ってきます。
途中解約はできませんが、売却してしまうことはできます。
一口当たりの金額は銘柄によって10万円のものと100万円のものがあり、各証券会社から購入できます。
個人向け社債のリターン
個人向け社債にには金利が付きます。
定期預金に比べて高金利なものが多く、年間0.1~2.1%程度のリターンが期待できます。
個人向け社債のリスク
発行元の会社が倒産した場合の保護制度はなく、購入した社債の価値がゼロになってしまう可能性 があります。
また、倒産リスクが高まると途中売却したい人が増えて購入希望者が減るので価値が下がります。
その状態で売却すれば元本割れすることもありえます。
専門の業者が「約束通りに元本および利息が支払われる確実性」を評価した格付け というものがあるので、それも参考にして安定した会社に投資しましょう。
個人向け社債のメリット
倒産や売却さえしなければある程度のリターンが確実に受け取れます。
おすすめの個人向け社債
インフレリスクに対応するためにも年間2%以上の利率を出したいところですが、年利2%以上の社債は滅多にありません。
たまに年利5%前後の社債も見かけますが、やけに金利の高い社債は発行元の倒産リスクが高いのでおすすめできません。
できるだけ高金利で年限の短く、格付けの高い物が理想的です。
具体的な例としては、2015年6月に募集していた「ソフトバンク社債」は償還期限5年 で年利1.0~1.6% 、1口100万円でした。
当時のソフトバンクの格付けはBB+
社債を安全投資として見るならばこのあたりが限界ではないでしょうか。
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個人向け国債
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個人向け国債とは、日本が個人投資家向けに発行する債券(借金)のことです。
毎月、発行日の1か月以上前に利率と発行日が公開され、募集期間中に各金融機関から購入申し込みすることで購入できます。
各銀行や証券会社など幅広い金融機関で購入でき、満期になると利息付きで償還されます。
2016年9月現在は、以下の3種類の個人向け国債が募集中です。
変動10 固定5 固定3
満期 10年 5年 3年
金利タイプ 変動金利 固定金利 固定金利
金利 最低0.05% 固定0.05%
利子の分配 半年毎(年2回)
購入単位 最低1万円から1万円単位
中途換金 発行後1年以上経過で可能
(ペナルティ有)
発行 毎月(年12回)
2016年8月31日時点での情報です。
個人向け国債のリターン
個人向け国債を所有していると、年に2回金利が付与されます。
金利は発行時の情勢によって変わり、変動タイプの国債ならば保有中にも金利が変動します。
2016年9月15日発行予定の国債の利率は0.05%。
マイナス金利の影響を受けて国債としては史上最低水準ですが、大手銀行の定期預金の5倍の金利です。
個人向け国債のリスク
社債と違って途中解約することが可能 です。
その際はペナルティとして直近2回分の利息が引かれた金額が償還されます。
「最もリスクが低い運用先」と言われているとおり、1年以上保有すれば元本割れの可能性はありません。
また、変動タイプの個人向け国債ならば、金利情勢に応じて金利が変動するので、インフレリスクにもある程度対応できます
個人向け国債のメリット
日本が発行しているので、銀行よりも信用度が高いというメリットがあります。
仮にA銀行で1000万円以上投資し、A銀行が倒産したとしても債券の元本は日本政府によって100%保護されます。
最小ロットは1万円から。少額投資が可能な点も考えると、初めての投資先としては優秀だと言えます。
おすすめの個人向け国債
インフレリスクにもある程度付いていける「変動10年」がおすすめです。
大手銀行の定期預金に入れておくよりは金利が高く、信用リスクの面でも安心できます。
とにかく「大きなお金を安全に運用したい」と思っている方には一番おすすめできる運用先です。
証券会社や銀行、ゆうちょなど、どこでも買えるというのもポイントです。
(私の知る中では)銀行で唯一買っても良い商品だと言えます。
私がおすすめする資産運用方法
上に挙げたもの以外にも終身保険や共済でもお金を増やすことは可能です。
細かいことを言えばBOやCFDなど、他にも様々な方法がありますが、私が「資産運用」として紹介できるのは以上の10種類です。
それでは、実際どんな風に資産運用していくのが良いのか考えてみましょう。
確定拠出年金が最優先
まず、就職した瞬間から確定拠出年金を始めます。
手数料や取扱商品を考えると、確定拠出年金はSBI証券 がベスト。
手取り額と生活水準のバランスにもよりますが、できることならば限界額(中小企業のサラリーマンならば毎月2万3000円)まで積み立てたいところです。
月5000円からでもOKですが、とにかく早く始めてなるべく早く2万円代まで持って行くことがポイント。最終的な運用益に大きな差が出るはずです。
20代前半の時点では毎月5000円~2万円強の出費も厳しいかもしれませんが、携帯代を見直すだけでも6000円程度の節約は期待できます。
生活費を見直すいい機会でもあります。
確定拠出年金は、所得税・住民税・運用益への税(源泉分離課税)の全てが非課税となることから、全額リスク投資に回した方が節税メリットを大きく受けられます。
内訳としては、海外系(先進国)と国内系の投信で半々。
海外系の投信は為替リスクがあることから、一見危険に見えますが、海外資産を持っておくと日本経済が暴落した際に必ず役に立ちます。
「日本経済はこれからも絶対うまくいく」という考えでない限りはある程度持っておいた方が無難です。
詳しくはこちら
確定拠出年金とは|税金を避けて積み立てまくれ!【図解】
30万円貯まったらIPO株を始めよう
証券口座からIPO株の抽選に参加し、当選したら即売りに出します。
10万円以内で参加できるものもありますが、3~40万円ほどあればほとんどの抽選に参加できます。
100万円ほどあれば複数の証券会社から抽選参加できるようになるので、お金に余裕が出て来たら日興・大和・野村・みずほといった証券口座も開設し、可能な限り購入します。
詳しくは過去の記事へ
IPO株とは?勝率約9割のIPOのリスクと仕組みをわかりやすく
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もっと貯まったらNISAでETFを買う
毎月確定拠出年金を限度額まで積み立て、IPO用に100万円ほど用意してもまだお金が余る場合、ようやくNISAの出番 です。
ある程度のお金を持っていると銀行から投資信託の営業が来ますが、買ってはいけません。
手数料の安い証券会社(SBI証券 ・カブドットコム証券など)にNISA口座を開設し、ETFを購入します。
こちらも運用益が非課税なので、リスク投資に使いましょう。
具体的には、投資中の資産からなるべく遠いところに分散していくのが合理的ですが、私は今年のNISAを国内の個別株(SONYなど)の購入に充ててしまいました。
皆さんには、国内ETFと先進国系ETFを買い足すような形をおすすめします。
NISAも使い切ったら……
NISAは年間120万円まで。
その枠も全て使い切った場合、SBIネット銀行に入れておいてIPO購入資金の予備として利用しても良いですが、ペイオフの関係で1つの銀行に1000万円以上入れておくのは危険 。
複数の銀行に分散するか、超過分を個人向け国債「変動10年」に変えておく のが無難です。
まとめ
私は「このまま少子化が止まらなければ、いつか日本経済は破綻する」と考えています。
そうなると一番困るのは高齢者で、なにも対策を取っていない高齢者は老後破産を避けられません。
20代の前半は、ついつい手取りや交際費のことばかりが気になってしまいます。
資産運用のことを考えるのはなかなか難しいかもしれませんが、早い段階で正しい知識を身に付け、しっかりと対策しておけば様々なリスクも乗り越えることができるはず。
この記事が少しでも参考になればと思います。
というわけで、以上!資産運用/投資10種類のおすすめ度とわかりやすい解説一覧でした!
それではまた!Can You Survive?
まずは確定拠出年金から始めましょう!
つぎに、IPO株もおすすめですよ~
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